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株式会社ブリヂストン様
業界の課題解決に挑戦!
AI開発ツールの導入経緯について

業界
タイヤ・ゴム
ユースケース
タイヤ生産技術開発
NNC選定理由
  • ツールが洗練されて使いやすい
  • 特定のユースケースに限定されない
  • サポート体制が充実している
導入で重要な点
  • 座学と実習の両方に取り組むこと
  • 初心者の学習を手助けする仕組み作り
  • AIに知見のある企業と協力

Neural Network Consoleでの本格的なAI開発を検討される方はサービス資料をご覧ください

タイヤメーカーのリーディングカンパニーである株式会社ブリヂストン。 今回、タイヤ製造の生産効率化を図るためにディープラーニングを活用しようとNeural Network Console(以下NNC)導入を決断するに至るまでのお話を鹿野様に伺いました。

タイヤ開発支援部門B4S企画管理課 課長
鹿野 健太様

業務内容について教えてください。

鹿野様:生産技術の開発プラットフォームの整備や維持、改善を行っています。 実働部隊を支えるための仕組み作りが主業務で、その一環でNNCを導入しました。

NNCはどういう経緯で導入することになったのでしょうか?

鹿野様:もともと、NNCの導入検討していた当時は、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進め、データサイエンティストの育成に力を入れ始めた時期でした。 既にディープラーニングを用いていくつかの設備やシステムの開発が完了していましたが、AI開発専門の部署にテーマが集中しており、ディープラーニングの概念を知れば知るほど社内でより多くの人に学び活用してもらうべきではないのかと考えるようになりました。 そのためツールを導入するにあたり、ディープラーニングの概念を社内に浸透させるお手伝いをしてもらえることと特定のユースケースに限定されず使いやすいもの、という2つの条件でツール選定を行い、最終的にNNCを利用しようと決めました。

ディープラーニングをゴムの自動認識に用いたのはなぜでしょうか?

鹿野様:タイヤになる前のゴムは私たちが「生ゴム」と呼んでいるものになるのですが、一般的に想像される弾性があり元の形に復元するゴムとは全く異なり、「生ゴム」は、柔らかく粘着性がある状態で噛んだガムに近いイメージです。 その「生ゴム」を色々な形に加工もしくは繊維をゴムでコーティングし、組み立て熱を加えるとタイヤになります。 タイヤに加工されるまでにさまざまな工程がありますが、時間経過や自重で変形する、また変形パターンも一様でない為、既存の画像認識手法では処理に難しさがあります。
また、薬品を加えて製品や機能に紐づいた多数のゴム種別を作りますが、色や硬さで判断が付き難く、全て同じゴムに見えるなどの難しさがあります。
まとめますと、見分けが難しく、変形して、くっつくため、自動化が難しく人による作業から脱することができないという課題がゴム工業にはあります。 一方、ディープラーニングは個体差がある対象でも正しく判別できる特性を持つため、ゴムと親和性が高く課題を改善ができるのではと考えました。 実際に、画像検査の領域でディープラーニングを取り組んでいこうと計画しています。

図:タイヤの製造工程
タイヤの製造工程

比較検討段階では他にどのようなツールを検討されていたのでしょうか?

鹿野様:具体的にAutoMLやDataRobot、AzureMLが比較対象でした。 ディープラーニングの概念を学習することを重視したため、テキストや音声に特化しているものは避けました。 また、ツールが専門的すぎることによって、ツール自体の学習に時間を取られすぎないシンプルなものであることがポイントとなりました。 最終的にNNCを選定した理由は、将来的に実現したいことがハイエンドであったこと、ツール自体が洗練されていたこと、そして最先端の技術を持ったエンジニアとコミュニケーションを取れるからです。

導入にあたって概念を浸透させることが重要だと考えた理由を教えてください。

鹿野様:ディープラーニングの学習を社内全体でしっかりと進めていくためには、発想の転換が重要だと考えます。 自分たちの論理や法則、ノウハウも重要ですが、ディープラーニングはデータの数で高い精度と答えを導き出す手法であるため、発想がなじみにくいと当初から思っていました。 そのため学習の初期段階から知見の深い専門家から講義を受けることでカルチャーチェンジをする必要があると考えていました。 他のツールでもハンズオンでの研修は実施していただきましたが、NNCのようにトップクラスの専門家が直接説明していただくという機会がなかったため導入の決め手として大きかったです。

受講後、社内に変化はありましたか?

鹿野様:受講したメンバーの中には大きな衝撃を受けた人もいました。 自分たちが取得しているデータ量がまだまだ少ないと気づかされたり、このままでは他社に追い抜かれてしまうといったあせりを感じたりとメンバーの意識を変えるきっかけになりました。 結果的に、他のツールで開発を進めていたメンバー含め、開発方法やプレゼンテーションの中身などアウトプットの部分で変化があったことはやってよかったと感じています。

鹿野様がNNCを導入推進される際、開発側と衝突は起きなかったのでしょうか?

鹿野様:大きな衝突はなく導入を進めることができたと思います。 強引に導入を進めたわけではなく、研修を実施したり、環境を整備して利用しやすくしたり、開発側とのコミュニケーションも密に進めていたためスムーズに導入することができたと思います。 また、将来的にデファクト化したいと考えておりますので研修動画を社内向けにコンテンツとして用意し、学びやすい環境を整えています。

今後、貴社同様にツールを導入しようと検討している企業に向けて導入推進する上で重要だと感じたことを教えてください。

鹿野様:ツールを導入するにあたって座学と実習の両方を行うことが重要だと考えます。 特に、ハンズオンでの研修を行うことで実際に手を動かして勉強したり、NNCはクラウド版がすぐに利用できるので、自分でモデルを作ったりしてもらうことで社内での定着を促すことができると思います。 ただし、ツールを使えるようになって実務で利用しようとなると、データの取得方法や前処理など処理フロー全体でハードルが残ります。 法人プランではモデル構築についてある程度使いこなしている人が社内にいれば、初心者がレベルアップするためのサポートができますが、処理フロー全体で初心者が段階を踏んでレベルアップできる仕組み作りをNNCで行ってもらえるとさらに心強いです。 いかにうまいユースケースを見つけることができるか、SNCさんのようなAIの知見のある企業と協力できるかが、導入してうまく運用していく上での鍵になるのではと考えます。

ありがとうございます。最後に今後の見通しなどはございますか?

鹿野様:弊社は、コアコンピタンスであるゴム・ヒステリシスを極めるべく過去から蓄積された現物現場の技術(リアル)とDX(デジタル)を組み合わせて技術イノベーションを加速させていきます。 今回課題としてお伝えしたゴム加工ならではの難しさに関連して、現場の匠の技や暗黙知の見える化、その伝承などに取り組みでいます。 そのためデータ活用強化に注力しておりますので、異業種であってもご興味がある方はぜひご協力いただきたいです。

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