ディープラーニング入門のためにできること|基礎知識・学習方法など徹底紹介
ディープラーニングを使って作業したいと考えていませんか。ディープラーニングに入門するためにできることを知りたい人に向けて、ディープラーニングとは何か、ディープラーニングでできることなどを解説します。学習法やおすすめの書籍も紹介します、ぜひ参考にしてください。
ディープラーニングの開発基盤をお探しの方は、無料体験もございますのでお気軽にお試しください。
目次
- 1 ディープラーニングとは?
- 2 ディープラーニングの歴史
- 2.1 『形式ニューロン』の考案が始まり
- 2.2 1回目のブーム『パーセプトロンの開発』
- 2.3 2回目のブーム『誤差逆電波法の開発』
- 2.4 3回目のブーム『ディープラーニングの開発』
- 3 人工知能と機械学習の違い
- 3.1 人工知能とは?
- 3.2 機械学習とは?
- 4 ディープラーニングの簡単な仕組み
- 5 ディープラーニングでできること
- 5.1 画像認識
- 5.2 音声認識
- 5.3 自然言語処理
- 6 ディープラーニング入門のために必要な知識
- 6.1 プログラミング
- 6.2 微積分と行列の知識(高校レベル)
- 6.3 英語
- 7 ディープラーニング入門のための学習法
- 7.1 オンライン学習サービス
- 7.2 書籍
- 8 まとめ
ディープラーニングとは?
人間が脳で考えるように、コンピュータに学習をさせるためのひとつの方法です。入力されたデータから、コンピュータが特徴を認識し学習します。従来の機械学習によるコンピュータの学習では、大変な時間がかかりました。ディープラーニングを導入することで、短時間でのデータ分析が可能となりました。
ディープラーニングの歴史
ディープラーニングの歴史について解説します。
『形式ニューロン』の考案が始まり
ディープラーニングは、1943年に発表された形式ニューロンから始まったとされています。形式ニューロンは、人間の脳をモデルにして作られたニューラルネットワークの原形です。人間の脳の神経伝達と同じく「全か無かの法則」に基づいており、それを数理的に表したモデルとなっています。
1回目のブーム『パーセプトロンの開発』
1957年、形式ニューロンを発展させて関数化したパーセプトロンが開発され、1958年に論文が発表されました。これにより人間の脳の神経細胞を表現するニューロン素子をつなぎ合わせる発想が生まれ、ニューラルネットワークが誕生しました。人工知能に対する注目が高まり、1回目のブームを迎えます。ただし、1960年代になると弱点が明らかになり、ブームは下火になります。
2回目のブーム『誤差逆電波法の開発』
1986年になると誤差逆伝搬法が開発され、パーセプトロンの弱点が解消されます。多層構造を取り入れ、誤差逆伝搬法により重みを調整したりロジスティック関数を活用したりしています。ここで人工知能への注目が再び高まり、2回目のブームが始まりました。しかしながら、実際には多層構造の学習がうまくいかなかったため、やがて2回目のブームも終わりを迎えます。
3回目のブーム『ディープラーニングの開発』
2006年にオートエンコーダが提唱されると、人工知能の3回目のブームが到来します。ニューラルネットワークで特徴をとらえられる際に、多層構造の学習が適用されるようになったからです。この学習方法はディープラーニングとよばれており、現在も活用されています。2012年には、ディープラーニングによる画像認識システムも提案されました。
人工知能と機械学習の違い
人工知能と機械学習の違いを解説します。
人工知能とは?
人間と同じ知能をコンピュータにもたせる取り組みや技術のことです。人工知能はAIともよばれており、弱いAIと強いAIの2つに分類できます。弱いAIは、囲碁の勝負などのように、限られた分野に特化して能力を発揮できます。強いAIは、人間のようにさまざまな能力を発揮することを将来的には目指しています。人工知能は、コンピュータに対して知的なプログラムを与えるための科学技術全般を示しています。
機械学習とは?
コンピュータに人間と同様の知能をもたせるための学習方法で、教師ありの学習と教師なしの学習があります。人間が定めた正解をもとにデータを判断させるのが、教師ありの学習です。コンピュータ自身が、特徴の認識・分類を行うのが、教師なしの学習です。
ディープラーニングは、まだ教師あり学習の段階です。他の機械学習との相違点は、与えられた教師データをもとに、ディープラーニングが自分で特徴を見出しているという点です。
ディープラーニングの簡単な仕組み
ディープラーニングは、ニューラルネットワークという人間の神経回路に似た構造をベースにデータの学習を行います。ニューラルネットワークは、大きく分けて入力層・隠れ層・出力層の3つからなり、隠れ層でデータ処理が行われます。ニューラルネットワークの隠れ層は、多層構造となっており、複数の関数が適用されています。1層目では色、2層目では形など、多くの層を通過することで、認識の精度が増します。
ディープラーニングでできること
ディープラーニングの主な活用方法を3つ紹介します。
画像認識
画像や映像から必要なデータを抽出し、法則性や特徴などを認識し分類します。ディープラーニングによる画像認識は人間の能力を超えているとも言われており、高い精度を発揮しています。単に何が写っているか認識するだけでなく、たとえば顔写真を分析して年齢を当てることなども可能です。
音声認識
音声を分析し、特徴をとらえ、テキスト化できます。話している人物を特定したり、会議の議事録を作成したりできます。人間の声による指示も理解可能であり、声で操作できる家電などにも音声認識の技術が活用されています。
自然言語処理
人間が使用している自然言語の処理ができます。通常コンピュータはプログラミング用の言語による指示で動作しています。話し言葉・書き言葉などの文字を認識し、文章の意味などを理解します。翻訳・チャットボットなどは、自然言語処理の技術が活用されています。
ディープラーニング入門のために必要な知識
ディープラーニングに入門するために必要な知識を解説します。
プログラミング
ディープラーニングを行うためには、プログラミングの知識が必要となります。初心者なら、まずはPythonを習得するのがおすすめです。Pythonは、ディープラーニングなどの開発に使われている言語の一つです。文法がわかりやすく、情報も多くて学習が進めやすいため、初心者に向いています。プログラミングの経験がなく、これから学習を始めることも難しいという場合には、ディープラーニングの開発環境を利用することで、プログラミングの知識がなくてもディープラーニングを始められます。色々な開発環境の中でも高い評価を得ているのが、ソニーが提供している「Neural Network Console」です。ドラッグ&ドロップだけで簡単に利用できます。無料体験もできるので、ぜひ利用してみてください。
微積分と行列の知識(高校レベル)
数学の知識が必要であり、微積分・行列は理解しておく必要があります。確率・統計の計算方法も重要な知識で、高校レベルの基礎的な内容は、最低限身につけておきましょう。ディープラーニングの開発環境「Neural Network Console」を利用する場合には、簡単な画像分類問題程度でしたら、数学の知識がなくても取り組むことができます。
英語
プログラミングは、基本的には英語で行います。ディープラーニングに関する情報は、書籍や論文から得ることが多く、その大半は英語で書かれています。英語を理解している人ほど、スムーズにディープラーニングを習得できる可能性が高くなります。しかし最近では、日本語での学習環境や、日本製の開発環境も増えてきており、インターフェースが日本語の部分もあります。英語ができるに越したことはありませんが、できなくても心配することはございません。
ディープラーニング入門のための学習法
ディープラーニングに入門するための学習法を紹介します。
オンライン学習サービス
オンライン学習サービスは、非常に手軽に始められる学習方法です。Youtubeなどでも動画による教材の公開が行われているので、何から始めればよいか迷っている人におすすめです。以下は、無料で始められるサービスです。
環境構築なしで始められる『Aidemy』
Pythonの基本からディープラーニングまでを無料で学習できます。まったく知識のない初心者でもすぐに始められます。初心者向けのコースだけでなく、エンジニアコースやビジネスコースがあり、高いレベルを目指したい人にもおすすめのサービスです。
基礎の基礎から学べる『AI Academy』
自分の目標に合わせて学習内容が設計できるため、短期間で効率的に学べます。問題を解くと苦手な部分をAIが判断してくれるが特徴です。ディープラーニングを学ぶ明確な目標がある人におすすめです。
前提知識から解説する『Deep Learning入門』
ソニーが、「Neural Network Console」の活用のために、Youtubeにて配信しているチュートリアルです。はじめてディープラーニングを学ぶ人に向けて、Deep Learningの基礎とポイントをできるだけ分かりやすく解説しています。
YouTube『Deep Learning入門』
書籍
ディープラーニングへの入門書としておすすめの書籍を紹介します。
『Pythonスタートブック』
以前発売されていた書籍をリニューアルし、最新のPython 3に対応しています。図解で基礎を丁寧に解説しているため、初心者でもスムーズに理解できます。プログラミングそのものに触れたことがない人にもおすすめです。
『人工知能プログラミングのための数学がわかる本』
Aidemyの代表者が人工知能のプログラミングに必要な数学の知識を丁寧に解説しています。Pythonのコードについても解説されているため、実践的な知識が学べます。数学の知識を忘れてしまった人や復習したい人に最適です。
『Excelでわかるディープラーニング超入門』
ディープラーニングに関する知識について、Excelを使って理解していきます。ディープラーニングで使われる数式や処理の仕方などが体感できます。Excelの簡単な操作と初歩的な数学があれば、ディープラーニングが理解できます。
まとめ
ディープラーニングへの入門は、通常は数学やプログラミングなどの知識を身につけることから始まります。オンライン学習サービスや書籍を活用することで、ディープラーニングの知識は身につけられます。
学習する時間をなかなか取れない方にオススメしたいのが、ディープラーニングの開発環境「Neural Network Console」です。プログラミングの知識がなくてもディープラーニングを始められます。ソニーが開発したディープラーニングであり、ドラッグ&ドロップだけで簡単に編集が可能です。無料体験もできるので、ぜひ利用してみてください。